プラズマを利用し『金属成分バリア薄膜の形成』に成功 ドライでポリマーブラシを形成
プラズマ装置を開発販売する株式会社 魁半導体(京都市下京区、代表取締役 田口貢士)は、ドライでポリマーブラシを形成し、
『金属成分バリア薄膜の形成』に成功しました。
これまでポリマーブラシはウェット処理で形成していましたが、当社独自の新プロセスと装置構造を開発することで、
ドライ処理で形成することが可能になりました。本技術は受託加工と、新プラズマ装置と加工技術の組み合わせで提供を開始します。
■金属成分バリア薄膜の形成を容易にする新技術
「ポリマーブラシ」と呼ばれる分子構造は、材料表面に紐状の高分子を伸ばした構造で、その立体構造による撥液性、
長期親水性などから、食品や化粧品、薬品などの容器分野で注目されています。
これまでにも大学・研究機関でその形成手法が研究されてきましたが、基材の活性化とモノマーを溶液中で重合させる方法が中心でした。
その関係から、サンプル表面から最表面までの構造が一様なものとなり、また官能基を最表面先端にのみ配置することは困難でした。
そこで、当社では独自技術であるプラズマによる単分子膜形成技術を応用し、新たに独自プロセスでポリマーブラシの形成技術を
開発致しました。
この技術では、途中の構造と最表面の構造を個別で調整でき、最表面にのみ官能基を配置することが可能になっています。
更に、この技術はドライ処理の為廃液処理も不要になりました。
図:本技術の金属成分バリア薄膜
内面にこの処理を施した硼珪酸ガラス製の瓶を用いて、NaとAlの溶出試験を行ったところ、4時間試験に於いて、
Naは処理無し:4.76ppmに対し、処理有り:0.07ppm、Alは処理無し:1.93ppmに対し、処理有り:0.00ppmと
金属成分バリアの効果が確認されました。
これにより、PET等のポリマーのガスバリア性向上、硼珪酸ガラスやソーダからの金属成分の溶出防止などが容易になるほか、
機能の複合化も可能です。
■受託加工と新装置を開発
新プロセス技術「金属成分バリア薄膜の形成」は、受託加工による提供を開始しています。
「ポリマーブラシ形成」技術専用の新たなプラズマ装置「PBy シリーズ」も開発しており、
今後は装置とプロセス技術との組合せによる提供も開始予定です。
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