酸化した金属部品を水素フリーで還元 直接気化式-還元装置「DH-Reduction」1月20日発売
プラズマ装置を開発販売する株式会社 魁半導体(京都府京都市下京区、代表取締役 田口貢士)は、自然酸化したプリント基板やリードフレームなど、金属製品の表面に対し、水素を使わずプラズマで還元する新しい技術を開発、専用プラズマ装置「直接気化式-還元装置 DH-Reduction」を2023年1月20日に発売します。従来の水素プラズマによる還元法よりも安全でコストダウン、短時間で処理できるため、銀や銅を使用する工業製品や医療製品、日用品など幅広い用途に販売します。
■安全で低コスト、水素フリーのプラスマ還元法
銀や銅は自然酸化し表面に酸化皮膜で覆われる性質があります。工業用製品に使用する基板やリードフレームといった部品は導電性や接合性の向上のため、現在は薬液・還元剤を用いて被膜を除去、または水素プラズマ処理で除去されています。これらの還元方法は金属表面が変形しやすいものや、工程に環境負荷の高い条件、作業に危険を伴うなど、簡易とは言えないのが課題となっています。魁半導体が新たに開発した還元法は二価以上のポリオールを用いる新しいプラズマ技術です。従来の水素プラズマ処理とは異なり、水素フリーで大掛かりな防爆設備は不要。安全で省スペース、低コスト、短時間で還元することができます。(特許出願中)
【写真】「DH-Reduction」で酸化した十円玉(左)を還元(右)
【写真】「DH-Reduction」装置写真
■安全で生産効率が向上
「直接気化式-還元装置 DH-Reduction」は外部接続のガスを用いず、下図のようにチャンバー内に原料を直接設置することで処理を行います。乾式による処理ですので、湿式のような廃液処理が不要になります。
また従来の乾式の水素などを用いた還元処理に比べ、耐爆設備やハイ月処理設備が不要です。そのため従来手法と比べてイニシャルおよびランニングコストを大幅に削減、生産効率の向上につながります
本技術による還元についての詳細な評価は今年3月に開催される第70回応用物理学会で発表予定です。
■製品概要
[装置名称] 直接気化式-還元装置「DH-Reduction」
[発 売 日] 2023年1月20日
[価 格] 940万円(税別)
型 式 | 直接気化式-還元装置「DH-Reduction」 |
処理容器 | ステンレス鋼、アルミ合金、ガラス、PTFE製 |
放電方式 | 交流並行平板式 |
電極ステージ | ステンレス鋼製 直径400mm(オプションで変更可) |
高圧電源 | 高周波(13.56MHz) |
出力調節 | 手動調節 | ガス導入 | 不要 |
排気流量調節 | なし(オプション追加可) | 真空計 | なし(オプション追加可) |
タイマー | 0~9999秒の間でプラズマ照射時間を設定 |
外形寸法 | W: 560mm × D: 560mm × H: 400mm(突起部分除く) |
電源 | 単相200V, 50 or 60 Hz, 15A |
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