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インクや塗料、新素材の開発に フッ素樹脂を「水」に混合する特殊プラズマ加工技術を開発 分散剤不使用、環境対応にも有効

News Release                                                                                   

  2024年6月26日

株式会社魁半導体

 

インクや塗料、新素材の開発に

フッ素樹脂を「水」に混合する特殊プラズマ加工技術を開発

分散剤不使用、環境対応にも有効

 

プラズマ装置を開発販売する株式会社 魁半導体(京都市下京区、代表取締役 田口貢士)は、    フッ素樹脂「PTFE」粉体を水や水性溶液に混合分散する新しい加工技術を開発しました。滑りを良くするコーティングなどに使われるフッ素樹脂「PTFE」粉体は、液体への混合が難しく分散剤を使用するのが一般的ですが、当社の新技術はPTFE粉体のプラズマ表面改質により、分散剤を使わず「水」に混合させることができます。半導体業界をはじめインクや塗料など様々な用途でPTFEを混合した液体の新素材の開発が可能になります。本技術は受託加工での提供や当社装置と加工技術の組み合わせによる提供を開始します。

 

■有機の液体から「水」へのPTFE分散技術

フッ素樹脂「PTFE」(ポリテトラフルオロエチレン)は耐熱性、耐薬品性などに優れ多岐に利用されていますが、加工が難しく液体への混合が課題とされていました。PTFEを液体に混合させるために有機の分散剤が使用されていましたが、健康リスクや廃液等の環境への影響から、有機溶液の規制が世界的に厳しくなっています。また分散剤などの不純物を使用せず溶液を生産する傾向が高まっていることから、PTFE粉体を液体に混合する新技術が求められていました。

当社は得意とするプラズマ表面改質を応用し、2022年7月に有機の液体(エタノール、ヘキサン、メチルピロリドロン)にPTFE粉体を混合する独自技術を開発しました。この技術により分散剤を使用せず有機の液体へ混合、新素材開発に関する引き合い等をいただきました。その中で「水」への分散混合を期待する声が非常に多く、当社では約1年半の研究開発で新しい特殊プロセスを開発、「水」へのPTFE粉体の分散混合に成功しました。

分散剤を使わず「PTFE」粉体を「水」に分散混合させる技術は例がなく、当社プラズマ技術により初めて実現しました。(本技術は特許出願中)

 

■「PTFE」入り液体の用途が拡大

PTFEは耐熱性、耐薬品性のほか、滑り性、非粘着性、低摩擦性、絶縁性に優れた性質があるため、液体に混合することで付加価値の高い液体、塗料やインクのほか様々な新素材の開発に繋がります。

当初は各種研究機関と用途開発を行い、エレクトロニクスのみならず医療器や3Dプリンタ用素材など幅広い業界での展開を目指します。

■当社実験

プラズマ処理前とプラズマ処理後のPTFE粉体を精製水に混合。

処理前は上部に浮いていますが、処理後は水中に分散混合しています。

 

【お問合せ先】 株式会社 魁半導体 https://sakigakes.co.jp/

TEL:075-204-9589 / FAX:050-3488-5883 / E-mail:s.sales@sakigakes.co.jp

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