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接着や細胞培養の定着化の前処理 真空プラズマによるポリカルボン酸表面形成技術を新開発

プラズマ装置を開発販売する株式会社 魁半導体(京都府京都市下京区、代表取締役 田口貢士)は、様々な用途の接着や細胞培養の定着化の前処理に有効な新技術、真空プラズマによるポリカルボン酸の表面形成技術を開発しました。
本技術は2023年11月27日から当社新工場(西院事業所)における受託処理事業として提供を開始します。

 

■真空プラズマで安全性の高い技術の実用化に成功
マイクロ流路の製造工程ではポリカーボネート等のプラスチック基板の貼り合わせ等に、表面に水酸基(OH基)を優先的に導入されていることが多くあります。
当社では顧客のヒアリングにより、接着前の表面処理や細胞培養定着の前処理等には、カルボキシ基(-COOH)の導入を求める市場が一定数あること分かりました。
従来からの技術では大気圧プラズマを利用しアクリル酸をある程度の気相濃度で処理を行う方法があります。
この技術ではアクリル酸が引火性薬品であるため、温度や酸素濃度の管理が難しく、大気中での使用は非常に危険であり、工業的に活用するには大変に気を遣うプロセスであります。
化学工場の於いて過去に製造プラントや加熱中の重合反応で爆発事故が起きている例もあります。
魁半導体では当社SAM(Self-Assembled Monolayer)形成技術を基盤に、真空プラズマ技術を使用しアクリル酸をチャンバー内に供給し状態を制御するなどの工夫によって、引火性を下げ、大気圧プラズマよりも安全性の高いプロセスを開発、実用化に成功しました。

 

■基板の親水化や、細胞培養の基体などの用途に
この技術は、基板の親水化(長期保持の別技術)、細胞培養の足場形成(カルボキシル基にコラーゲン等を固定化等)のほか、高吸水性薄膜による人工皮膚、2価金属イオン・酵素センサー用基材(医療系)などの用途への展開が期待されます。

 

 

 

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