フィルム貼り合せ業界に本格参入 「大気圧ダイレクトプラズマフィルム圧着装置 D500-HR 」発売
プラズマ装置を開発販売する株式会社魁半導体(京都府京都市下京区、代表取締役 田口貢士)は、大気圧プラズマを使ったフィルム貼り合わせ用装置「大気圧ダイレクトプラズマフィルム圧着装置 D500-HR」(写真)を新開発、本日から販売を開始します。2 枚のフィルムを同時にプラズマ処理し直後に熱圧着するもので、本装置により当社はフィルム貼り合せ業界に本格参入します。
現在、本装置に SAM 技術(※1)を組合せて、接着剤不使用で PTFE と銅板の貼り合せ装置の開発をすすめており、2024 年夏ごろに6G/7G 用基板市場に向けて提供開始を目指しています。
※1 プラズマ技術を応用した新規SAM形成法 “Plasma Enhanced Molecular Bond Formation(PE-MBF)法” であり、プラズマ処理後の表面特性を長期保持できる当社独自の技術。
■プラズマ技術でフィルム貼り合せ業界に本格参入
フィルム業界ではプラズマ処理による貼り合せ技術の導入が進んでおり、処理サイズや均一性、高速化などを求める声が多くあります。しかしプラズマ処理部の幅や長さを大きくすると、均一性や、納期、コストなどの課題が多くあります。当社はフィルム貼り合せ業界へ本格参入するにあたり、装置プラズマ処理部の構造を基本から見直しました。主に、厚みや冷却部などの研究開発をすすめ、電極を 500mm の基本ユニットとし、拡張や並列使用などの展開で処理サイズが柔軟に対応できる構造を新たに開発しました。
「大気圧ダイレクトプラズマフィルム圧着装置 D500-HR」は市場ニーズが多いフィルム企画幅 1500mm にも対応、均一性や高速化に加え、当社製造面でもユニット展開により短納期化や高いコスト競争力を実現しました。
写真:大気圧ダイレクトプラズマフィルム圧着装置 D500-HR
■SAM 技術との組合せで PTFE と銅板の貼り合せへ
6G/7G 無線通信の到来に向け、回路基板においては次世代基板材料の開発が急務となっていてプラズマ技術による高分子フィルムと金属薄膜の貼り合せを期待する声を多くいただいています。
当社は京都市及び(公財)京都高度技術研究所が実施する「令和 4 年 革新的パワーエレクトロニクス実装・事業化推進事業補助金」に応募、当社のテーマ「パワーエレクトロニクス用高分子-金属積層体のダイレクトボンディング装置の開発」が採択され、開発に着手しました。本事業では真空プラズマに SAM 技術を組み合わせて、接着剤を使用せず高分子フィルムと金属薄膜のダイレクトボンディングの技術開発に成功しました。
この開発成果を基盤に今回発売する「大気圧ダイレクトプラズマフィルム圧着装置 D500-HR」と SAM 技術を組み合わせた、PTFE と銅板の貼り合せ装置の開発をすすめています。2023 年末に社内実験では成功しており、2024 年夏ごろを目処に基板市場への提供を目指しています。
図:「大気圧ダイレクトプラズマフィルム圧着装置 D500-HR」構造とフィルム貼合せイメージ
■製品概要
[装置名称] 大気圧ダイレクトプラズマフィルム圧着装置 D500-HR
[特 徴] 誘電体バリア放電を用いたダイレクトプラズマにより 2 枚のフィルムを同時に処理し、直後に熱圧着処理が可能な装置
[発売日] 2024年1月22日
[価 格] 2,000万円(税別)
■主な仕様
型式 | 大気圧ダイレクトプラズマフィルム圧着装置 D500-HR |
処理可能フィルム幅 | 最大 500mm(オプションにより変更可能) |
プラズマ処理部へのガス/蒸気導入 | 可能 |
プラズマ処理ユニット | 2個(増設することで高速処理が可能) |
電極 | ステンレス鋼、石英(水冷機構付き) |
最大搬送速度 | 30mm/s |
熱圧着最高温度 | 130℃ |
外形寸法 | D1000mm×W1400mm×H 1300mm |
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